福島県いわき市の石材店 泉石材㈱ 専務の吉田です。石工になってはや30年、加工と施工、その他日々の出来事等を紹介します。
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献花箱の製作
以前、永代供養塔の工事をさせていただいた、小名浜林城にある禅長寺様から
「お盆やお彼岸の時期に供養塔の花立が不足していて、お墓参りに来られた方が困っている。普段は収納しておいて、その時期に取り出して設置できる献花箱を製作してほしい」との依頼を受けました。
献花箱の製作は初めてでしたが、建築の石工事では浴室の湯出口を製作することが多いので、その技術と経験を活かします。
片側に10個の花筒と排水口、持ち運べるように取っ手を付けて重さは30kg以下になるように設計、材料は福島県産の滝根みかげ石で加工します。
図面とイメージパースを作成して承認をもらって加工に取り掛かります。
板材に加工して、磨き上げたパーツ
花筒部分の穴あけ加工
天板のズレ防止の溝入れ
ダボピンを入れながら組み立て
排水口部分
水張りテスト
塩ビパイプで花筒にします
現場に設置して完成
献花箱を製作したのは初めてでしたので、果たして上手く機能するのか不安もありましたが、彼岸中に伺ってみるとたくさん献花されていて「おぉー、イメージ通りじゃん」とホッとすると同時に大変うれしく満足できる仕事をさせていただきました。
階段の石工事
石で階段を造る場合、板石を蹴上と踏み面に分けて貼る場合と、無垢の石材を積み上げていく方法があります。
外構工事で無垢の石を積み上げる階段工事が続いたので紹介します。
アクアマリンふくしま水族館のアプローチ改修に伴う階段工事です。
袖石(そでいし)を先に据付して基準にしますが、左側が曲線のついたコンクリート壁のため、一本手前に仮枠を立てて基準の墨を打ちます。石の据付にはユニック車を使用しました
残した一列は原寸を測りながら加工して据付をします
階段石の完成です
続いて、立鉾鹿島神社の改修工事、既存の階段解体から始まります
コンクリートの躯体を造り、袖石を先に据付します
階段完成、上部の参道と向拝(ごはい)の床も施工しました
建築工事の中で、階段は業種を問わず難しい部分です。
勾配の折れ線のポイントを正確に結んで、段鼻を均等に割付します。
現場監督時代、階段の墨出しは最初の難関でした。経験を積んだ今でも墨出しはじっくり慎重に行っています。
大理石壁の磨き直し
デイサービスセンター浴室、大理石壁の磨き直し(再研磨)をしました。
大理石は建築材では壁や床の素材として多く使われますが、特性として水に弱く、外部や浴室に使用すると表面の色ツヤが褪せてしまうという欠点を持っています。
しかし石材の中では比較的軟らかいため、現場での磨き直し作業で色ツヤを再生することも可能であり、保護剤や撥水剤の進化もあって、一定期間であれば輝き続けることができるようになってきました。
作業前の状態
カラン台の研磨作業
壁の研磨作業
作業完了
現場での作業はハンドポリッシャに砥石を装着して水を出しながら磨いていきます。
粗目から細目の砥石へと4工程、表面の状態を確認しながらじっくり進めますが、時には低い場所や高い場所、窓枠や手摺の接触など困難な体勢での作業になります。
無我夢中で作業して、工程を進めるに伴って表面に輝きが見えてくると達成感を感じます。そしてお客様の安堵の表情を確認して作業が完了です。
規格石材の床石工事
事務所ビルの床石工事をしました。
こちらで使用の石は40cm角(400×400×13mm)規格寸法の石材タイルです。
タイルと言っても素材は天然石の桜御影石で、図面承認を受けて製造するオーダー品とは違い、あらかじめ40cm角の規格に海外で製作してメーカーの在庫品としてストックしている商品です。
ホールの床石が完了
風除室(ふうじょしつ)の施工中
階段部分は蹴上(けあげ)を先に施工します
踏面(ふみづら)部分は出隅の目地が揃うように、工場で厚決め(あつぎめ)加工をします。水平に固定したダイヤモンドブレードが石裏の先端部分を削って厚みを揃えます
ポーチと階段を張って、目地入れをして完成です
規格石材が本格的に登場したのが昭和の終わりから平成初期、石を薄く大量にスライスすることが困難な時代に、スライサーと呼ぶダイヤモンドブレードを何枚も装着した機械の登場で、当初は主にヨーロッパから輸入されていました。在庫品使用で短納期が可能であり、豊富な石種と軽量で取り扱いやすいなど接着剤の進化と伴って、建物の構造に左右されず多く使用されています。
最新カタログではページの最初のほうに新石種や最新のアイテムが記載されていて、色、柄、仕上げなどこれまでの石の常識を変えるような商品も豊富になっています。石は「豪華・素朴・美しい・絵になる・飽きない・おしゃれ」、そんな期待に答えてくれそうな商品が見つかると思います。
小学校の校門を清掃修復しました
いわき市内の小学校から「校門の汚れがひどく綺麗にしたいが、可能かどうか見て検討してもらいたい」との問い合わせがありました。
現場を見に行くと、門塀上部のセメントモルタルからのアクがタイルの壁に流れ落ちて結晶化、白華(はっか)と呼ぶ現象により門塀全体が汚染されている状態です。
石の名板部分は過去に強力な薬品洗浄剤で清掃したらしく、石のツヤが無くなり周囲の劣化が見られます。タイルも薬品の影響で色が落ちてしまい、一部に塗装が施されていました。
かなり汚染されていたので綺麗に出来るか不安もありましたが、立ち会っていただいた先生から「卒業式や入学式で記念写真のスポットになる場所なので」との言葉に子供たちのそのような光景を想像し、作業を引き受けました。
施工計画としてタイル壁の白華除去と洗浄、黒御影石の名板修復、今後の進行を抑えるため上部モルタル部分の塗装を施します。
上部から作業します。塗装の下地を作るためモルタル面をグラインダーで凹凸を調整して補修用の軽量モルタルを塗って仕上げます。
タイル部分はスクレーパーやブラシで白華を出来るだけ除去してから薬品を使って洗浄、石の名板は現場でツヤを出すことはできないので、文字部分にペンキで墨入れをして全体を濡れ色にする浸透性保護剤を塗布して修復します。
数多くの薬品洗浄剤が普及していますが、汚れを除去することに目を向けすぎて誤った薬品の選定をすると、取り返しのつかない劣化や汚れを生じさせる場合があるので専門的な知識が必要になります。私の経験上では石材の内部から生じたサビやシミは除去が不可能、他から付着したものであれば、ある程度は除去可能と思っています。
コロナウイルスの影響で休校が続いている状態ですが、縮小しながらも卒業式が行われたそうです。入学式については不明ですが、大変な状況の中で学校生活の門出を迎えたことを、写真を見ながら不安なく回想できる日が早く来てほしいと願うばかりです。